threewitches’s blog

元々は舞台・映画鑑賞が大好き。でも最近はテレビを見る時間が出来て、今までを取り返すかのようにドラマを見まくっています。そんな中、感想や独り言を思うままに書き留めたブログです。

恋のツキ、からの中村倫也ロス

2018年ドラマランキングトップ10      

1位 透明なゆりかご            

2位 アンナチュラル             

3位 日本版コールドケース         

4位 大恋愛

5位 今日から俺は

6位 バイプレイヤーズ

7位 dele

8位 恋のツキ

9位 結婚相手は抽選で

10位 僕らは奇跡でできている

 

今年はたくさんのドラマを見た。家のDVDプレーヤーについている「ドラ丸」という機能を使って自動録画し、見れるものは深夜のものも含め見た(もちろん1.5倍速を駆使して)。そして思うがまま5段階評価で点数をつけた結果がこのランキング。同列のものもあったかな。全部で50近くあったからたくさん見たなぁ、とちょっと感慨深い。お陰でずっと前から気になっていた大きなサイズのビーズクッションも買ったよ(しかし腰痛になるリスクあり)。HDDに入りきらなくなって、DVD—Rを買って録画もしたよ。だからまだ見れていないものが沢山ある。「昭和元禄落語心中」と「この世界の片隅に」、まだ見れてない。。。でもひとまずのランキング。

 

ランキングを見ていて、同じようなテーマだけど全然違ったな、と思ったのが「恋のツキ」と「中学聖日記」。男の子の役には共通点があって、どちらも思春期真っ盛り。そして暴走しがちでエゴにも欲望にもよく言って素直。悪く言えば傍若無人。でも、この二つのドラマで何が決定的に違うかって、それはルール違反だと知りつつその男の子に手を出す大人側の描き方。ちなみに私は断然「恋のツキ」の方が好き。

 

恋のツキ」は、神尾楓珠君がミステリアスな雰囲気でかっこいいこともさることながら、思春期の危うい感じを出していて上手かったな。高校一年生の役も違和感なかった。最初の方はまだあどけなくて年上女性への憧れが強い感じ。それがワコさんへの独占欲や欲望に変わっていき、どんどん突っ走っていく危うさがまた上手くてはらはらして魅せられた。徳永えりも凄く良かった!煮えきらない時のワコさんの表情や口調なんかが生々しくて。未成年との交際は犯罪だと分かっていながらも止めないワコさんの浅ましさや、欲望に敢えて負けていっているようなところを凄くリアルに演じていたと思う。後半はイコ君の思春期さながらの暴走や子供っぽい甘えと、ワコさんの持つずるさやねじれた大人の甘えがどんどんこじれていくから、二人の関係性に限界が見えてきてそして破綻していく。

 

でもそれって、元はと言えば、ワコさんが自律できていない自分と向き合わないまま、自分よりも弱くて支配できるイコ君との関係に逃げていったから起きたこと。イコ君はその餌食になったとも言える。「恋のツキ」では、こういうリアルさにはまったし、面白かった。ドラマの中でワコさんはずるい女に映ったし、意志が弱そうでいて貪欲なところも見えたし、それを美化せず描いているとこに共感してぐっときた。映像もそれにマッチしていて良かった。

 

一方で、「中学聖日記」はと言うと?「恋のツキ」とは全然違っていた。岡田健史君演じる黒岩君は、「恋のツキ」の神尾楓珠君演じるイコ君よりもまだ幼くて中学生という役どころ。岡田健史君がフレッシュでただひたすらかっこよかった。彼のお芝居は初々しいながらも目の動きや表情なんかが役と合ってて良かったな。それと吉田羊さん素敵だったなぁ。コールドケースの役も好きだけど、このドラマもかっこよかった。

 

でも、見終わってみて、岡田健史くんが飾った鮮烈なデビューフィーバーが収まると、それでなんでこのドラマを作った?という疑問が強く残った。

恋のツキ」に比べると、どうして聖先生が中学生に手を出したのかが皆目見えてこない。黒岩君の執拗な押しに負けてしまった意志の弱い女性、って風でもない。婚約者との付き合いがギクシャクしていたからといって、教え子でしかもまだ子供に惹かれるってある・・?あったとして、若干ストーカー気味な相手なのに傷の手当てをする為に不用意に家にあげたり、地元の花火大会から手を繋いで帰ってきたり・・・する?聖ちゃんは先生と言う職業が好きだと言うけれど、どう考えても黒岩君のことの方が好きだよね?と思えてしまう。それならそれで己の恥と欲望に負けている様を潔く認めてもっとドラマティックにすれば面白さも増すのに!と、あ、途中で脱線。

 

なんだかこのドラマは、聖先生のエゴイスティックな言動(何故すぐに親や他の先生に連絡しないのかとか)や黒岩君の思春期にありがちな欲望の暴走とか、アグリーなものを扱っているのにそれを誤魔化してひたすら美しく描こうとしていること自体が美しくなかった。結局最後見終わった時に胸に残ったものは、「黒岩君のスーツ姿かっこよすぎ・・」ということくらい。でもきっとそれがこのドラマが残したメインテーマだったのかも。このストーリーを敢えて美化して描いた意図は、岡田健史君の美しさを際立たせる為。未成年との恋愛は犯罪だってことを伝えたかったとか、はたまた中学生に手を出しても、大人になるまで待ってその想いが成就すれば純愛だとかを描きたかったのではなく(純愛だとは思えないけど)。そうじゃなかったら、日本人て表向きは犯罪としても本音ではこういうのを美化する国だったっけ?とも思う。

 

そんなわけで、岡田健史くんのかっこよさで言えばトップにくるくらいだけど、ドラマとしてはこんなに中身のないものもないな、ということで圏外になってしまった。黒岩君のイケメンぷりと初々しさが鮮烈で、それだけが鮮烈なドラマだった。そしてそれは驚異的にフォロワー数が増えている岡田健史君のインスタの人気ぶりが既に物語っているのかも。超がつくほどのイケメンはやっぱり希で、そんな逸材を発見してドラマの主演に起用してくれて有難う、という感謝の気持ちを残しておこう。

 

ところで役どころと言えば、「ドロ刑」の皇子山は好きだった。中村倫也さんが怒鳴るシーンは完全にスイッチが入っていて共演者の人もあの間でやられるとビクっとしちゃわないかな、と思ったくらい見ていて迫真もので次回作が楽しみ。長々書いたけど、結局2018年のドラマ総括は前回に引き続き、中村倫也ロスというところかな。うん、今年に相応しい。来年はどんな年になるのかな。