Macbeth Act 1-1
考えようによっては、今日の私は怒りの塊であったし、考えようによっては慈悲深い仏の心境でもあった。声を荒げたりもしなかった。厳しい言葉も放たなかった。睨みもせず、恨みもせず。その一方で私の胸の中は殺意でいっぱいだった。殺意という毒がどくどくどくどくと全身にまわって地の果てに落ちていってしまいそうだった。謎のような心内。
ああ、かくも人生は世知辛いことで満載だ。うなだれて帰路について、でも電車に乗ったらもう週末の予定に思考が切り替わっていた。かくも人間は現金なものだ。
”Fair is foul, and foul is fair”
(Macbeth: William Shakespeare)